『フロン−−結婚生活・19の絶対法則』（岡田斗司夫・海拓社）
ナント、bk1にもすでに10の書評が掲載！
まずは本書の30Pからの引用。
「そうか、みんな結婚についてはすごく慎重になってるんだなぁ」と思ったのは、「Z-kan」という雑誌編集部から、アンケートを見せてもらったときのことでした。（中略）
「結婚したら生涯、他の人を好きになってはいけない。だから自分は結婚などできないと思う」
「飽きっぽい私に結婚など不可能」
「結婚しても他の人を好きになるのは止められない。いったいどうやっていま現在、結婚してる人はそういう衝動を抑えているのか。その秘密を知りたい」
こういう意見が出る、という状況がいかに根本的で深刻か、いかに私たちの幸せを大きく左右するかに気がついた私は、「この問題を本にしよう」と決心しました。
去年（2000年）の６月、大学生のアンケートを持って、オタキング事務所に足を運び、インタビューを行なったんです。引用は、そのときのことを書いているものだと思います。
このたび、岡田斗司夫さん本人の快諾をいただいたので、Z-kan掲載のインタビューをそのまま当サイトへ再掲載することができました。岡田さん、どうもありがとう。
さて、この『フロン』、岡田さんの名著『ぼくたちの洗脳社会』で触れられている「結婚の解体」「家族の解体」をさらに敷衍させ、恋愛から育児までを統一的な視点からフォローしているという意味では、極めて冒険的な試みだと思う。また、「とても役立つ実用書」であると同時に、カントをもじって言えば「純粋恋愛批判」という思想書としても読めるはずだ。
本書の結論はいまのモノサシで測ると、到底受け入れがたいものかもしれない。「妄想」の一言で片付ける読者もおそらくいるだろう。僕だって、「ホントにそうなるかぁ？」と思う部分だってある。でも、現実はちょっとずつ「フロン」に近づいているのもまた事実なのだ。